車椅子ソフトボールとの出会いはナンパ!?
車椅子ソフトボールは、車いすバスケットボール、車椅子テニスなど他種目経験者がスタートすることが多く、車椅子スポーツの経験を活かし主力として活躍する選手が占めていたが、ここ数年は車いすソフトボール一本で活躍する選手も増えてきた。
今回は横浜チームの加藤幹(かとうつよし)選手のインタビュー。
「車椅子ソフトボールと出会って内気な自分が変わりました。」
と語る加藤選手は都内の会社に勤務する会社員。
普段は電車通勤する車椅子ユーザーであったが、スポーツとは無縁の25年間を過ごす。
車椅子ソフトボールとの出会いは電車内で突然の”ナンパ”だった。
車椅子ソフトボールと出会ったきっかけを教えていただけますか?
去年の1月頃、たまたまの休日の出勤後、帰りの電車の中で障害者アスリートの支援と普及活動をしているセンターポールの田中さんに突然声を掛けられました。
第一声が『何かスポーツやってますか?車椅子ソフトボールやりませんか?』だったので、正直かなりびっくりでした。
ただ、興味はあったので数日後に田中さんに連絡して翌週、当時練習場所だった東京都王子の練習に一度行きました。
初めての練習会で1ヵ月後北九州で大会あるけど来ない?と誘われました。
その1ヶ月後には、北九州の大会に参加していたので、今思えばそれもびっくりですよね(笑)
加藤選手は今までのスポーツ経験は?
まったくのゼロです。車椅子には乗っていましたが、まさか自分がスポーツをするとは思ってもいませんでした。ですが、やってみると楽しくてしょうがないです!
普段はどんな仕事、日常過ごしていますか?
平日は都内でサラリーマンをしています。夜に、新橋駅付近で車椅子のキラキラ光ってる人がいたら、多分私です。笑
お酒が大好きなのでよく飲んでます。
休日はソフトの練習です!
ほんとうは時間さえあれば、週3でも週4でも練習したいくらいです!
加藤選手はチーム内ではクアド(四肢麻痺)のクラスですが経緯を教えていただいてもいいですか?
事故ではないんですが、早産で出生児の体重が1kgもない超未熟児で生まれてきました。早くお腹から出たかったみたいです。。
3、4歳の時に、立って歩行するようになったタイミングで、よく転ぶということで病院に行ったところ、障害が判明したそうです。
脳性麻痺といって。上肢下肢ともに障害があります。下肢の麻痺が強いです。歩行は掴まってなら、少しだけできます。時々嫌いですけど、憎めない私の足です。
車椅子ソフトボールの醍醐味をおしえてください!
色んな人とプレーをして、楽しめるところ!
初めての方でも楽しめる競技だと思います。たくさん練習をして、試合で成果が出るのも最高ですよね。
加藤選手は普段どちらで練習されているんですか??
所属は横浜ガルスです。
私は入団して1年とちょっとになります。
チームは結成3年目ですが、今年に入り、新メンバーも参入したことでかなり賑やかになっています。
現在、チームのキャプテンではありますが、みんなに助けてもらってばかりです。練習ではバラバラなこともありますが、試合になると一致団結するカモメのユニフォームが特徴的なチームです。
インタビュー中常に笑顔で接してくれる加藤選手は、「ソフトボールを通じて人と関わることが楽しいと心から思えるようになりました。最初はモジモジしてましたが、今は違います。練習もどこでも行きます!出会ってなかったら、普通の人生を歩んでました。これからもこのスポーツを盛り上げていくために、活動していきます」と力強く語ってくれました。